千両過眼

東京在住の会社員です。読書、舞台、展覧会の感想などを書いています。

ミュージカル「アラジン」(2018年3回目)

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●2018年7月24日
「アラジン」(電通四季劇場,劇団四季)
出演:韓盛治 笠松哲郎 三井莉穂 牧野公昭 町田兼一 萩原隆匡 戸高圭介 白瀬英典 石波義人

電通四季劇場で「アラジン」を観ました。
韓ジーニーは初見。瀧山ジーニーとは、間とかいろんな部分で違っていて新鮮だったし、笑わされました。 アニメにはむしろこちらの方が近い感じもしました。
笠松アラジンも初見。さすがに歌が上手いです。これまでに演じてきた人たちに比べてディズニーっぽさが薄い感じはします(顔とかとくに)。
やや調子のよさを感じる他のアル役者に比べて、笠松アルは人物に筋が通っている感じがして好感が持てました。
ラスト近くでジャスミンに嘘を告白するシーンのアル。「あわよくば王女が許してくれないかなあ」というような気持ちが透けて見える気がする(私だけ?)のが常ですが、笠松アルはきっぱりと、退路を断って告白している感じがいいと思います。
この演目では、物を盗むよりなにより、嘘をつくことが罪という価値観なので、ここまでやって、初めて伝わる気がします。
ジャスミンは久々の三井莉穂。前向きな感じがいいですね。ジャファー&イアーゴの悪役コンビはおなじみ牧野公昭・町田兼一という組合せで嬉しかったです。

夏休み期間なので親子の観客が多くて、普段の大人の客は笑わないようなところ(たとえばバブカックの食べ物ネタ)でも笑いが起きていて、役者さんたちはやりやすかったんじゃないかと思います。

宝塚星組「ANOTHER WORLD」「killer Louge」

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●2018年7月21日
宝塚星組公演
RAKUGO MUSICAL「ANOTHER WORLD」
タカラヅカ・ワンダーステージ「Killer Rouge(キラールージュ)」(東京宝塚劇場)
出演:紅ゆずる 綺咲愛里 礼真琴 七海ひろき 音波みのり 瀬央ゆりあ 有沙瞳/汝鳥伶 華形ひかる

宝塚星組公演を観に行きました。
ポスターの妙な3ショットを見て、正直あんまり期待してなかったんですよね。それが見事に裏切られました。
とにかく笑った!
ベニーがハチャメチャなのはいつものことですが、彼女のキャラクターと上方の笑いが見事に結合して、究極のアテ書きのようになっていました。

大坂の両替商、誉田屋の若旦那・康次郎は、神社で出会った娘への恋わずらいの余り死んでしまい冥土の旅へ。そこでいろんな人に出会います。
この世の道楽はし尽くして冥土見物にやってきた江戸のお大尽一行とか、誉田屋出入りの手伝いの男、喜六とか。この仲間たちとわいわいがやがや、冥土巡りを始めます。
やがて康次郎の恋の相手、同じく恋わずらいであの世に来たお澄と合流しますが、そこに閻魔庁の使いが来て…というお話。
落語「崇徳院」の「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」の恋話を導入に、「地獄八景亡者戯」(こっちは私は聴いたことがないですが)がベースになっている。とてもよくできたお話でした。
脚本的くすぐりも満載で、小林一三先生の話が出てきたり、冥土にも劇場街があって「忠臣蔵」を演じてたり、それどころか歌劇団まであってロケットをやってみせたり。なかでも「ベルサイユの蓮」のくだりは笑った!客席もざわっとして、ライブ感ありました。
ベニーの、なんでも紅色に染め変えてしまう濃厚な個性が生かされてて、彼女がなんか言うだけで笑ってしまいます。つくづく大阪の人なんだなあと思いましたよ。
これに対し、礼真琴演じる徳三郎の江戸気質がまた好もしくて、取り巻きが康次郎に茶々入れたり嘲笑したりするのを、きっぱりとたしなめたりするのが格好いい。この二人のかみ合わないようで息の合ったやり取りを聞いているのが気持ち良かったです。

康次郎の母於登勢役の万里柚美や、三途の川の渡し守、杢兵衛役の天寿光希、美人座の阿漕役・夢妃杏瑠、十碧れいや、お仙役の紫月音寧ら芸達者な人が多くて、星組の巧さを感じる公演でもありました。
茶屋の娘・初音役の有沙瞳が、ベニーの関西風・高テンションに全然負けずに合わせていたのがお見事。康次郎とお澄の馴れ初めを語る人形振りの場面、礼真琴との息も合ってて、よく笑いをとってたし。本当にいろんな役のできる素敵な娘役だと思います。
瀬央ゆりあの赤鬼赤太郎が、妙に人間臭くて面白い。
もう一人、艶冶役の音波みのりが、お澄との会話の中ですうっと、虞美人の顔になっていくのがとても綺麗で、なんかじわっと感動させられました。

ショーは「Killer Louge」。
いかにも齋藤吉正らしい、いい意味でアジア的雑駁味のあるテイストです。龍の巨大なセットといい、かつての宙組の「満点星」を思い出しました。
下級生たちにもいろんな見せ場が与えられてて、齋藤作品の温かみを感じました。
礼真琴がはつらつとして目立ってて、でも大元をちゃんとベニーが締めている、という感じがするのもよかったです。
最近よくある、銀橋でのロケット。なんか得した気持ちでした。
終演後、紅ゆずるの挨拶がありました。最近の星組、面白い感じになってきたので、次回も何が出てくるのか楽しみになりました。

「歌仙と古筆」

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◯2018年7月16日
「歌仙と古筆」(出光美術館)2回目

会期終了が近いということで猛暑の中、出光美術館に「歌仙と古筆」を見に行きました。
歌仙絵と古筆の展覧会なので、ほとんどすべての作品に和歌が出てきます。前回行ったときは前半だけで頭がパンクしそうで、後半の古筆などはどうせ読めないしと思って、殆ど見飛ばしてしまってたのでした。

まず、今回の目玉である佐竹本。出光美術館所蔵の「柿本人麿」があります。
 ほのぼのと明石の浦の朝霧に嶋隠れゆく舟をしぞ思ふ
萎えた烏帽子、筆と料紙を持ち、脇に硯箱を置くという、藤原兼房が夢で出会った人麻呂像の型に従っています。
誰それ天皇に仕えてみたいな詞書もちゃんと解説に書き下されていて、ここの展示は本当に親切。
前回展示されていた個人像「山辺赤人」は、東博所蔵の下巻巻頭「住吉大明神」に展示替え。出光美術館所蔵のもう一点「僧正遍照」も展示されています。
佐竹本というと、これが売り立てになる時、余りに高額なため誰も買い取ることができず、益田孝らの発案で、応挙館において分割して分配されたというエピソードが有名です。

今回できる限り、和歌も1首ずつ見ていったのですが、今回展示の二点の伝・岩佐又兵衛の三十六歌仙屏風について、あることに気付きました。
これらはいずれも六曲一双、左右隻に18人ずつの人物と和歌を散らしてあるもの。一点は画面上部に御簾のようなものが描き巡らされていて、三十六歌仙を神に準じる扱いで描いているということらしいです。
二点のうち、後の方に展示してある三十六歌仙屏風。これにはなぜか斎宮女御の歌(琴の音に峰の松風通ふらしいづれの緒よりしらべそめけむ)が二つあり、本来あるはずの小野小町の歌(色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける)がありません。絵の方は、片方はまぎれもなく斎宮女御だけれど、朝忠と友則に挟まれたもう一方は小野小町っぽい。
普通に考えれば、斎宮女御の歌の色紙を小町のところにも誤って貼り付けてしまった結果、斎宮女御の歌がダブってしまった、ということでしょうが、絶世の美女で、幾多の伝説まで生まれるほど、古来人気が高かったはずの小野小町なだけに、不思議なことではあります。

「新選組の料理人」

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◆2018年7月
「新選組の料理人」
門井慶喜

ひょんなことから新選組の賄方に勤めることになった菅沼鉢四郎。料理の腕のみを買われて採用されたので、剣は駄目。勇気も意気地もない。
彼の目から見た新選組隊士、倒幕の志士たち、そして大きくうねるような都の情勢が描かれています。
隊士の中でフィーチャリングされているのは原田左之助。近藤、土方、沖田、永倉、斎藤などに比べ、珍しいのではないでしょうか。

筆致は軽め。でも、そもそも新選組という題材そのものが、ハード過ぎてその軽さと合っていない気もする。
池田屋騒動や芹沢たちの粛清、伊東一派との対立などの血なまぐさいあたりはつとめて避けたようにも見えますが、その代わりに入っているオリジナルエピソードが、残念ながら心に残らない。
それでも、坂本龍馬と近藤の秘密会見のあたりは面白かったです。案外と歴史の裏でこういう政治的な駆け引きが行われていたかも、と思わせました。
(2018年14冊目)

「ウォーターゲーム」

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◆2018年6月28日
「ウォーターゲーム」
吉田修一

「太陽は動かない」「森は知っている」に続くシリーズ3作目。
鷹野が所属するAN通信にまつわる攻防と、中央アジアの水資源をめぐる情報戦が描かれます。
鷹野のほか、田岡やリー・ヨンソン、アヤコらおなじみのメンバーが活躍!
逆転に次ぐ逆転、どんでん返しが多すぎて、途中状況がわからなくなる(笑)ほどのジェットコースター的展開。

AN通信のスパイ養成所ともいうべき孤児院で育ちながら、そのコースから外された若宮真司という青年が登場します。
彼はそれを「自分が母親にも愛されなかった子供だからだ」と理解し、その鬱屈を持ったまま人生を送っています。
このシリーズ、親に虐待を受けたままだったのと、AN通信に拾われて死と隣り合わせで生きるのと、どちらが子供にとって幸せだったかということをいつも考えさせられるのですが、今回はAN通信にまで捨てられた子供の自己肯定感の欠如と果てしない虚無が描かれていて、胸に迫りました。

このシリーズ、映画化されるそうです。おそらく前2作が中心になるのでしょうね。
条件付きの生という特異な状況、その中で不思議な前向きさを見せる鷹野のメンタリティが、うまく出てればいいんだけど、と思います。
(2018年13冊目)☆☆☆

「プーシキン美術館展」

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○2018年6月
「プーシキン美術館展 旅するフランス風景画」

モスクワのプーシキン美術館所蔵のフランス風景画。
モネやブーシェ、コロー、ルノワール、シスレー、セザンヌ、ゴーギャン、マティスらの有名どころが多く展示されています。
私は、20世紀初頭頃のパリの街を描いたコーナーが興味深かったです。

たとえばエドゥアール・レオン・コルテス「夜のパリ」。夕暮れ時のパリの街路、まだ街灯が灯る前。人や馬車が行き交い、店のウィンドウの光が明るい。雨上がりなのか、地面が光っている。
ルイジ・ロワール「パリ環状鉄道の煙<パリ郊外>」。画面の上半分のほとんどを白煙が横切っていて、これは鉄道の煙。一方で馬がつながれていたり藁が積まれていたりと、近代への過渡期の都市の様子がうかがえる。これも水たまりが光を反射してるのが現実感ある。
このほか、ジャン・ベロー「芸術橋(ポン・デ・ザール)近くのセーヌ河岸・パリ」やジョルジュ・レオン・デュフレノワ「パリの広場」。
100年前のパリの様子をわくわくと見ました。

今回の呼び物の一つはモネの「草上の昼食」。
オルセーのよりずっと小さくて、オルセー版の習作とも、オルセー版が分断された後に描かれた再制作ともいわれているようです。
基本的なテイストは下絵をそのまま踏襲、しかしオルセー版のようないかにもな「モネ感」がありません。ひとことで言うと印象が暗いのです。
オルセーのものは明暗がはっきりしていて、陽光の明るさが印象的ですが、プーシキンのものは人物がほとんど影。そのため、みな翳のある顔で深刻そうに見える。
もうひとつ、本展のキービジュアルになっているのがルソーの「馬を襲うジャガー」。こちらを向いている馬の目がうつろで怖い。なんでこれがポスター?確かにインパクトあるけれど…。

こうやって風景画という同じテーマで見ていくと、時代の流れとともに風景に対する人の意識や関心のありかも変わっていくのが、よくわかりました。

映画「羊と鋼の森」

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□2018年6月15日
映画「羊と鋼の森」

ピアノの調律師を志す青年の話です。
ピアノの内部が羊(ハンマー部分の羊毛フェルト)と鋼でできていて、その森の深くに分け入る、そしてそれが世界とつながっている。山﨑賢人演じる主人公が心に秘めたイメージが素敵です。
ピアノの音、奏でられる音楽が美しくて、心地よくもありました。
「柔らかく」「固く」「軽く」などとリクエストされるピアノの音は、確かに聴き比べると一つ一つ違うような気がして、音楽というのは奥が深いと思いました。

上白石姉妹が高校生ピアニストの姉妹役を演じていて、生き生きとピアノを弾く様子が魅力的でした。主人公を支える先輩調律師たち、柳役の鈴木亮平、板鳥役の三浦友和、秋野役の光石研らも名演です。
人間が何かを好きでいること、そのためにたゆまず努力すること。これらが表現されていて、とても美しい映画だと思います。

「シークレット・ガーデン」

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●2018年6月14日
ミュージカル「シークレット・ガーデン」(シアタークリエ)
出演:石丸幹二 花總まり 石井一孝 昆夏美 松田凌池田葵 大東リッキー 石鍋多加史 笠松はる 上野哲也

シアタークリエで「シークレット・ガーデン」を観ました。
トニー賞3部門を受賞した海外ミュージカル。ブロードウェイ初演は1991年。
インドで両親を失った少女メアリーが英国にいる叔父アーチボルドに引き取られます。アーチボルドの妻リリーは10年前に亡くなり、それ以来彼はリリーの面影を慕いながらひっそりと引き籠って暮らしています。
広大な屋敷の一角に、鍵がかかった閉ざされた庭があることを知ったメアリーは興味を抱きます。

何の知識もないまま観たのですが、面白かったです。
メアリー、アーチボルド、息子のコリンそれぞれの孤独が描かれ、秘密の庭を媒介に、彼らがつなぎ合わされ、「いま」を取り戻す過程が描かれます。
人物たちの思いが積み重なっていって、闇から光が生まれていくのに感動しました。
アーチボルドを石丸幹二さんが演じていて、歌はもちろん、演技に胸打たれました。二枚目役の多い石丸さんですが、今回みたいに鬱屈して額にしわを寄せている役を演じても一流です。
苦労性の弟ネヴィル役の石井一孝さんとのデュエットは歌うま同士なだけにすごかった
石井さんのネヴィルは憎まれ役ですが、彼の醸し出すピリピリした緊張感が、家族の愛情や自然が育む安らぎとのいい対比になっています。

亡き妻リリー役を花總まりさんが演じています。
この屋敷と庭、そこかしこにリリーの面影が濃厚にたゆたっているのですが、その存在感がとてもよく出ていました。喋る場面は少ないですが、歌と姿と表情で、リリーのこの世に残した気持ちのありかまでが伝わってくるようでした。影の主役です。
花總さんは、また一段歌がランクアップした感じですね。
リリーの妹でメアリーの母ローズ役を笠松はる。彼女が劇団四季にいるときに「ウェストサイド」のマリアや「オペラ座の怪人」のクリスティーヌが好きでした。久々の美声。お顔を拝見できてとても嬉しいです。
メアリーは池田葵、コリンは大東リッキー。二人とも上手で、言い争ってるときなんか本当に言葉をぶつけあっている感じでした

帝劇と違い、クリエは客席と舞台が近く感じられます。
荒れ果てた庭に花が咲くような、人々が紡ぐ再生の物語が、まっすぐ伝わってくるようでした。

宝塚宙組「天は赤い河のほとり」「シトラスの風」

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●2018年6月9日
宝塚宙組公演
ミュージカル・オリエント「天は赤い河のほとり」/
ロマンチック・レビュー「シトラスの風-Sunrise-」~Special Version for 20th Anniversary~(東京宝塚劇場)
出演:真風涼帆 星風まどか 芹香斗亜 愛月ひかる 桜木みなと 星条海斗

かつて少コミに連載された人気漫画の舞台化。
現代の女子高生・夕梨が古代オリエントにタイムスリップしてしまいます。 そこで夕梨はヒッタイトの皇子カイルと出会い恋仲になりますが、国と国との争いに巻き込まれてしまい…という話。

長大な原作を一幕にまとめるという荒業。そのためか、ストーリーを追うのにいっぱいいっぱいの印象を受けました。
夕梨の現代に帰れない辛さとか、ここで何をなすべきかという葛藤を描いて欲しいところですが、残念ながらそういうのはなし。人物の気持ちがほとんど掘り下げられていません。
男役のカッコよさだけを追究するんだったら、別にわざわざ漫画原作を持ってこなくても…と思いました。
ヒッタイトの皇太后とエジプトの皇太后の思惑や、愛月ひかる演じるマッテイワザらとの関係が難しくて、途中からかなりどうでもよくなりました。

今回は、真風涼帆と星風まどかの両トップの大劇場就任公演。私は真風はオールバックのほうが似合うと思うのですが、今回は原作ものなので茶髪長髪です。
真風はセリフが聞きやすくて歌も上手いです。筋の通った、強くて優しい皇子を演じていますが、カイルという人物に人間的懊悩がほとんど描かれていないのは、やはり残念です。
星風まどかも出番が多い割にあんまり印象に残りませんね。原作を改変した変な場面、たとえばネフェルティティの寝室を家探しして文書を盗むところなんかが妙に頭に残って、 もったいない感じがしました。
トップコンビ、次の公演に期待したいです。
芹香斗亜のラムセスの扮装が抜群に似合っててカッコよかったのと、桜木みなとの弟ザナンザがいい人を演じて素敵でした。

ショーは「シトラスの風-Sunrise-」。
宙組誕生20周年を記念して、初演時の「シトラスの風」をもとに再構成しています。「シトラスの風」というと私は「花占い」を思い出します。
テーマ曲などはやはり古めかしい感じが否めません。が、逆に言うと、古き時代の宝塚の香りを感じさせるようでもあります。
私が一番惹かれたのは、芹香斗亜が銀橋で踊った「PARADISO」です。 以前「ネオ・ダンディズム」で見て以来の曲でしたが、これが彼女の荒っぽい魅力に似合ってカッコよかったです。

終演後、新トップスター真風涼帆の挨拶がありました。

「宋磁ー神秘のやきもの」

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○2018年6月
「宋磁 ―神秘のやきもの」(出光美術館)
先日終わった出光美術館の「宋磁」展には3回行きました。
青磁、白磁がほとんどで、そこに青白磁、わずかに天目茶碗や色絵磁器が混じる程度で、やはり宋時代というと青磁白磁の時代なのだなという感じがします。
定窯の白磁、磁州窯の掻き落とし、耀州窯のオリーブグリーンと印花文、鈞窯の澱青釉や月白釉、紫紅斑、景徳鎮の白磁と見紛うような青白磁と刻花文、影青、そして砧青磁などの竜泉窯や南宋官窯と、それぞれの特色が出ています。
なかでも北宋・鈞窯の澱青釉は、汝官窯へのつながりなどが言われるだけあって印象深かったです。
汝窯は去年春に、大阪の東洋陶磁美術館に水仙盆を見に行きました。専門的なことは分かりませんが、美しい「雨過天晴」のやきものが、後の世に至るまで憧れの対象だったことは理解できました。
今展に出ている鈞窯の「青磁盤」は、やや暗い色味に感じますが、汝窯の可能性が指摘されているということでした。

磁州窯系では、異なる種類の鉄釉を掛け分けたものが、室町以降に日本で珍重された茶入の景色を思い起こさせ、案外影響関係があるのかもと思いました。
今回一番の収穫は越州窯の秘色について。
宇治で出土した、藤原北家の遺品と思われる朽葉色の水注が展示されているのですが、これが余りに普通の青磁の色とかけ離れていて。これが秘色というもの?と疑問に思いました。
わが国では平安期の源氏物語や宇津保物語に記事が出てきますが、秘色というとこの色の器を指していたようです。
一方、秘色磁器は色のことを指すのではなく、天子以外に使用が禁じられた器、という意味ともいわれます。
出光美術館には、奥の陶片室に中国の法門寺遺跡出土の、これこそ秘色という陶片があります。しげしげと見てみると、石のような硬質の感じのする暗いブルーグレイで、日本人が秘色青磁とみなしたものとは違うことがわかります。
この間からの疑問に、答えが見つかって良かったです。
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