○2012年9月20日
「美輪明宏 ロマンティック音楽会」(ル テアトル銀座)
美輪さんのコンサートに行きました。
振り返れば、もう20年ぐらいほぼ毎年行っています。その間、パルコ劇場を始め場所もいろいろでしたが、ル テアトル銀座でのコンサートは、劇場閉館のため今回が最後になります。
前回までの『L′amour -愛-』に変わり、今回は『ロマンティック』の副題で、<物語仕立て>の楽曲が中心。
一部はオリジナル曲や「人生の大根役者」などのシャンソンなどで構成されています。相変わらず美輪さんの歌唱は圧倒的です。
圧巻は今回久々に聴いた「ヨイトマケの唄」。
「父ちゃんのためならエンヤーコラ!」というフレーズがびっくりするぐらいの声量で。いや、凄い迫力でした。
考えてみると、今は使われなくなった「ヨイトマケ」という言葉に時代を感じますね。「今じゃ機械の世の中で」というフレーズも、今ならさしずめIT時代というところでしょうか。
しかし、それにも関わらず、現代もなお聴衆の心をこんなにも揺さぶるのは、この歌の持つ根源的な力なのでしょう。
二部は「想い出のサントロペ」「王様の牢屋」「ラストダンスは私に」「ミロール」など、おなじみのシャンソン曲が中心。ラテンの名曲「ベサメ・ムーチョ」もありました。激しいダンス付き。
ラストは「ボンボォアヤージュ」。一人の女性の人生の変転を歌ったものですが、数分の曲が美輪さんの手にかかると、まるで一場の舞台のようにドラマチック。
そしてアンコールは「愛の讃歌」。
すべてを浄化するような美輪さんの歌声の力強さが、劇場を出た後も胸に残りました。