新収蔵記念
「近代数寄者の交友録 益田鈍翁・横井夜雨・畠山即翁」(畠山記念館)
畠山記念館で「近代数寄者の交遊録」展を開催しています。
3人の茶人、益田鈍翁(1848-1938)、横井夜雨(1883-1945)、畠山即翁(1881-1971)の交流がうかがわれる資料や道具を展示しています。
鈍翁は様々なエピソードで知られた人物ですが、夜雨は30以上も年の違う鈍翁に私淑し、茶の湯を通じて交流を深めたといいます。
また、荏原製作所の創立者で、夜雨より二つほど年上の即翁は、鈍翁と同じく実業の傍ら茶の湯に傾倒した人物。
その雅号に鈍翁の「鈍」を意識して「即」を用いたともいわれているそうです。
冷泉為恭「旅中郭公図」の葦手による散らし書きが、判じ物みたいで面白いです。人、岩、ほととぎす、田、杉の絵が文字を表しています。
遊び心がありますよね。
人ならば待てといはましほととぎす
人ならば待てといはましほととぎす
またふたこゑとなかで過ぎぬる
「柿の蔕(へた)茶碗 銘 毘沙門堂」は元々京都の毘沙門堂に伝来したもの。
鈍翁がこれを一時期預かったものの購入しなかったところ、即翁が入手し、鈍翁を招いた茶会で早速この茶碗を出しました。鈍翁は「毘沙門堂」と揮毫し、脇に次の狂歌を書き付けました。
柿の蔕ひとつが老の思ひ出に
「柿の蔕(へた)茶碗 銘 毘沙門堂」は元々京都の毘沙門堂に伝来したもの。
鈍翁がこれを一時期預かったものの購入しなかったところ、即翁が入手し、鈍翁を招いた茶会で早速この茶碗を出しました。鈍翁は「毘沙門堂」と揮毫し、脇に次の狂歌を書き付けました。
柿の蔕ひとつが老の思ひ出に
くやしといふもおもしろの世や
鈍翁の死後、この書を夜雨が即翁に贈った時の添状も展示されていて、3人の交友が偲ばれました。
展示室の一角にある茶室でお茶をいただきました。
この美術館は木立の中にありますが、まだ紅葉には少し早いものの、時折野鳥の声が聞こえてきます。風情がありました。
鈍翁の死後、この書を夜雨が即翁に贈った時の添状も展示されていて、3人の交友が偲ばれました。
展示室の一角にある茶室でお茶をいただきました。
この美術館は木立の中にありますが、まだ紅葉には少し早いものの、時折野鳥の声が聞こえてきます。風情がありました。