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○2018年1月26日
「色絵JAPAN CUTE!」(出光美術館)

肥前で焼かれた古九谷、柿右衛門、鍋島や、仁清、乾山らに代表される京焼などの色絵磁器を集めた展覧会。
江戸時代にできたこれらの磁器が語る、季節感や文学性、カラフルさや可愛らしさといったものの表現。普段何気なく、そういうものとして受け入れていますが、改めて魅力に気付かされました
本来実用のために作られた焼物が、わが国の有形無形の美意識(ものの捉え方や季節の感じ方、蒔絵や大和絵、王朝文学のようなものも含めて)影響を受け、贈答用として、また私たちの生活を彩る道具として発展していったのが興味深いと思いました

面白かったのが、伊万里焼の海を越えた変化です。
肥前磁器は伊万里港や出島から積み出され、ヨーロッパの王侯貴族のコレクションに入るとともに、権威付けに利用されました。のちには伊万里を模倣したチャイニーズイマリが景徳鎮窯で作られるようにもなりました。
たとえば柿右衛門がチャイニーズイマリで模倣され、ヨーロッパのマイセンやチェルシーなどでさらに模倣され、という展開が、実物を並べた形で展示されています。
これがそっくりに模倣しているものもある一方で、オリジナルにちょっと何かを足してみたり、妙に抽象化したりデザイン的意匠にしてみたり、というのがあって大変興味深かったです。
解説でこれを「伝言ゲーム」と書いてあるのが面白い言語センスだなあと感心しました。
考えてみれば、現在のマイセンやロイヤルコペンハーゲンなど多くのヨーロッパ磁器の意匠は、日本の磁器の影響を受けて、独自に発展していったものといっても違和感ありません。だとすれば、江戸時代の日本の美意識が海を越え、現地の上流階級を中心とした人々の好みに濾過されて、今の世界的スタンダードに定着したといってもよいのでは。
これって、なんかすごいことだなあと感動しました。