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●2018年1月30日
ミュージカル「アラジン」(電通四季劇場)
出演:瀧山久志 島村幸大 岡本瑞恵 牧野公昭 町田兼一 西尾健治 嶋野達也 藤田光之 石波義人

電通四季劇場で「アラジン」を観ました。
配役は、島村アラジン、瀧山ジーニー、岡本ジャスミン、牧野ジャファーと、メインどころがほぼ四季オリジナルキャストで、さすがにまとまった舞台でした。
席がかなり前方だったので、これまで気付かなかったようなところにもいろいろ発見がありました。
幕開き直後の市場での追いかけっこの場面、狭い舞台上で歌に合わせて役者が入り乱れて同時進行的に動きます。役者の生声や足音も聞こえます。一人一人の芝居がとても繊細かつエネルギッシュであることに今更ながら気付きました。
ジャスミンが雁字搦めの王宮を抜け出して市場にやって来る場面、彼女の表情からわくわくが伝わってきました。いかに彼女が自由というものに憧れていたのかがわかりました。
この作品では、アラジン、ジーニー、ジャスミンそれぞれが囚われの身の窮屈さを感じていて、「自由な新しい世界」への希求がテーマになっています。これが細部のデティールにまで行き届いていることが、やはり感動を呼ぶのだと思います。

一幕でアラジンがパンを盗んで、生きていくためには仕方ないみたいなことを歌う場面がありますが(ちゃんとそのあとに、アンサンブルの「NO!」というセリフが入る。この辺りはやはりディズニー。笑)、それを聞いてて、ジャン・バルジャンが頭に浮かびました。
バルジャンはパンを1個盗んで牢獄に19年つながれてしまいます。果たしてその刑の重さは彼の罪に相応しかったのか。
アラジンも、いつかこの境遇から抜け出したいと願いつつ、生きるためにパンを盗む。
当然、法に照らしてこれは悪いことなのだけれども、どこかでこの2作品がつながっているような気がしてなりませんでした。

面白かったのは、盗みの行為がスルーされる一方で、嘘をつくことが非常に悪いこととされてること。
ジーニーの魔法で王子になったアラジンは、自分の真実をジャスミンに告白することができません。かといって目的のためには仕方ないとか言って居直ることもできず悩むアラジン。
この問題が解決されて初めてハッピーエンドとなるのですが、この辺やはりディズニー的優先順位。この明快さゆえに愛されるということも、よくわかります。4