FullSizeRender
●2018年3月9日
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち」(日生劇場)
出演:鹿賀丈史 市村正親 木村達成 愛原実花 真島茂樹 新納慎也 香寿たつき 今井清隆 森公美子

何年ぶりかの「ラ・カージュ・オ・フォール」公演。初日を観に行きました。
前回も前々回も確かラストと銘打ってましたよね(笑)、今回は「ヴィンテージ公演」とか言ってるのが可笑しい。
でも、今回で終わり、と思っても、何年か経つとまた公演やろう、となる気持ちもわかる。だってこんなハッピーミュージカルだもの。観てる方はもちろん、多分演じてる役者さんもスタッフも嬉しいんじゃないかと思う。体力的にはキツイ演目だとは思うけれど。
私達はいつもこの演目を愛し続けるので、時々でいいから、ずっと続けて下さい。

お話はゲイのカップル、ゲイクラブの経営者ジョルジュと、看板女優アルバンを中心とした話。二人を鹿賀さんと市村さんが演じています。
それに年を経てさらに増してきた鹿賀さんのいい加減な感じが、まさにジョルジュで、本当に楽しんで演じているのが分かります。
そしてその鹿賀さんの芝居を受ける市村さんが嬉しそう。二人の息がぴったりで、それが伝わってくるのがいいんですよね。
そんなジョルジュとアルバンのもとに息子のジャンミッシェルが持ってきた難問。ジャンミッシェルが交際相手のアンヌとその両親を家に連れてくる!しかも父親のダンドン議員はゲイの撲滅を公言している政治家。
どうする、ジョルジュ!!そしてアルバン!!
様々の人間模様が描かれるのでした。

この舞台の見どころの一つは、カジェルさんたち、ゲイダンサーたちのパフォーマンスです。
のっけからしずしずと出てくる彼ら。シャンタルやフェードラの出番では客席笑い。
新納慎也さんがはつらつと演じてて楽しい。
一幕後半のカジェルさんたちの身体を張ったダンスは凄いのひと言。途中から運動会のような曲になるんですよね。休みないカンカンの連打!!バク転やラインダンス!!息つくヒマもありません。観ている方も大興奮です。
終わったときにはしばらく拍手が鳴りやみませんでした。

両家顔合わせに出ないでくれと頼まれたときのアルバンの孤独感は想像を絶するものがあります。一幕ラストの市村さんの絶唱が胸を打ちました。
ジョルジュには、本当はジャンミッシェルのわがままを叱るなり諫めるなりして欲しいところですが、それができないところもジョルジュなのだなあと。
結局みんなでアルバンの優しさに甘える感じになってしまう。そしてそれを受け止めてきたアルバン。
鹿賀さんと市村さんの芝居には、ジョルジュとアルバンの愛情だけでなくて、これまでの人生の軌跡までが垣間見えて、やはり名優だなあと思うのです。
二幕のダンドン一家の訪問からは一気呵成。
私の大好きなお皿の歌があったり、ジャクリーヌの店で和やかな雰囲気ができて、何とかうまくいきそうだったのですが…。
ダンドン役の今井さん、夫人役の森公美子さん、ジャクリーヌ役の香寿たつきさん、それぞれにぴったり。とくに今井さんは前回の時より役に入り込んで見えました。愛原実花のダルマ姿が可愛かったです。

終演後、何度もカーテンコールがありました。
初日だけあって客席も熱いです。
まだ始まったばかりの公演、スタッフ、キャストの皆さんお体に気を付けて頑張って欲しいです。次回観るときも楽しみです。