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○2018年10月26日
「フィリップス・コレクション展」(三菱一号館美術館)

全員巨匠、というキャッチフレーズですが、アングル、コロー、ドラクロワ、マネ、ドガ、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ピカソと有名どころが目白押しです。
彼らの作品の中でも、らしい作品をよくぞこれだけ集めたものだ、と感心します。

いくつか好きな絵がありました。
シャルダン「プラムを盛った鉢と桃、水差し」。いかにもシャルダンの静物画という作品ですね。こんなに薄暗い空間で、こんなにつややかで鮮やかな果物の色はよく考えると不自然なのだと思うのに、この存在感に惹かれてしまいます。
コンスタブル「スタウア河畔にて」。これは私が思うコンスタブルぽくはありません。パレットナイフで直接キャンバスに描いているようですが、のちの印象派を予感しているような作品といえます。
シスレー「ルーヴシエンヌの雪」。美しい冬の光景で好きな絵です。静寂の音というべきか、雪の降る音が聞こえてきそうです。
ブラック「レモンとナプキン」。キュビスムといっても、まだ私の脳で解読可能な作品。色彩や構図の均衡が美しくて、これも好きな絵。

作品に付されているフィリップス氏の情熱的な言葉が面白かったです。
ドラクロワは絵画芸術におけるエネルギーの統制を完璧に体現した画家である。規律ある精神によって保たれる曲線を主体とする構想のダイナミズムは、まるで彼の描いた海から飛び出す見事な馬のように轡をはめられ古典的なバランスを保って静止している」みたいな。私には意味不明なところも多かったですが。
久し振りに西洋絵画が見られて楽しかったです。