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○2019年7月26日
「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」(三菱一号館美術館)

ファッションの展示は…と思っていたのですが、案に相違して面白かったです。
フォルチュニはスペイン生まれ。フォルチュニの馬の毛によるアレルギーを心配した家族とともにヴェネツィアに移住。
ヴェネツィアに工房を開き、彼の代名詞ともいえるデルフォスを始めとした服飾デザインにより、一躍ファッション界の寵児に。

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今展では、このデルフォス始め、彼がデザイン、制作したコートやドレスが展示されています。
デルフォスは絹地を染色し、美しいプリーツを施した女性用のドレス。
当時のコルセットによるフォルムに対し、自然なフィット感を重視したストンとしたシンプルなデザイン。展示されているデルフォスは多彩な色合いで、プリーツが美しく、丈が長くて裾を引くフォルムになっています。
このデルフォス、どことなくギリシャ風ですが、展示されている服には日本の小袖のようなデザイン、有職文様のような図柄があって、ここにもジャポニスムの影響がうかがわれました。

フォルチュニのすごいところはデザイナーにとどまらず、多彩な方面に才能を発揮したところ。
舞台美術デザインや染織、写真、版画、絵画…。彼のデザインによる吊りランプや、船舶推進装置の特許証などというものも展示されています。
好ましいと思えたのが彼の絵画。明快で色使いが綺麗な絵。「美徳と高潔の寓意」の模写は以前、もとのティエポロのを見たことがあったので、絵葉書も買いました。