FullSizeRender
〇2021年7月
「浮世絵・江戸絵画名品選-写楽・北斎から琳派までー」(山種美術館)

ちょっと出かけて行って、ぼんやりと絵を見る。そうしたいときにここの美術館を訪れることが多いです。
日本の近代絵画もよいですが、江戸絵画はこのような時に最適です。

広重の東海道五拾参次がずらりと並んで壮観です。
春信の「梅の枝折り」が面白いです。塀の向こうの梅の枝を手折ろうと、侍女の肩の上に乗って手を伸ばす娘。侍女も娘と同じくらい華奢で、危なっかしそうです。実際に春信が見た風景なのか、懸命なふたりの姿に微笑ましい気持ちになります。
歌麿の「青楼七小町」の一枚は髪の彫りが超絶的で、まじまじと近くで見てしまいました。

狩野常信の「明皇花陣図」は玄宗楊貴妃の故事による花戦の絵。好きな絵です。
伝俵屋宗達の槙楓図。ここでこれを見るのは初めての気がしますが、定かではありません。光琳の槙楓図と並んでいるのを見たのはどこの美術館だったか。
抱一の「秋草鶉図」は中天の月が銀の変色だとばかり思っていましたが、初めからこの色だったそうで、抱一らしい計算がうかがえました。