◆2012年2月29日
「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」(メディアワークス文庫)
三上 延
北鎌倉にある古書肆・ビブリア古書堂の店主・栞子と、主人公・五浦の日常を描くシリーズの第1作。
私は先に2作目のほうを読んでしまったので、今回やっと人間関係が把握できました(笑)
先頃、本屋大賞にもノミネートされ、人気の作品ですね。
発端となる一話目。
岩波の「漱石全集・新書版」は、私も学生時代、古書店や友人の下宿などで何度となく手に取っていて、馴染み深い本です。
五浦の祖母の遺品であったこの全集の「それから」の表紙の見返しに、何者かの書き付けが残されており、その謎を栞子が鋭い推理で読み解いていく、という内容。
幾人かの人手を経てきた古書は、時に持ち主や関わった人々の過去をも物語る、と栞子は言います。とすれば、栞子はさしずめ、本に隠された言葉を読み取って、主人公(と読者)に伝えるシャーマン的存在というところか。
他に取り上げられている本は、
・小山清「落穂拾ひ・聖アンデルセン」(新潮文庫)
・ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」(青木文庫)
・太宰治「晩年」(砂子屋書房)
の三冊。
本に関する蘊蓄は楽しいのですが、本筋のストーリーは、ときに埋もれていた真実や隠された人間模様を掘り起こし、なかなかハードな展開をみせます。
基本的には"日常の謎”&”安楽椅子探偵”(何せ探偵役の栞子が入院している)ものなんですが、古書の話だけだとちょっと型に嵌ってしまいそうなところ、最後の話は意外性がありました。
今春第3巻が出るとのこと、そちらも楽しみです。(2012年-20冊目)
「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」(メディアワークス文庫)
三上 延
北鎌倉にある古書肆・ビブリア古書堂の店主・栞子と、主人公・五浦の日常を描くシリーズの第1作。
私は先に2作目のほうを読んでしまったので、今回やっと人間関係が把握できました(笑)
先頃、本屋大賞にもノミネートされ、人気の作品ですね。
発端となる一話目。
岩波の「漱石全集・新書版」は、私も学生時代、古書店や友人の下宿などで何度となく手に取っていて、馴染み深い本です。
五浦の祖母の遺品であったこの全集の「それから」の表紙の見返しに、何者かの書き付けが残されており、その謎を栞子が鋭い推理で読み解いていく、という内容。
幾人かの人手を経てきた古書は、時に持ち主や関わった人々の過去をも物語る、と栞子は言います。とすれば、栞子はさしずめ、本に隠された言葉を読み取って、主人公(と読者)に伝えるシャーマン的存在というところか。
他に取り上げられている本は、
・小山清「落穂拾ひ・聖アンデルセン」(新潮文庫)
・ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」(青木文庫)
・太宰治「晩年」(砂子屋書房)
の三冊。
本に関する蘊蓄は楽しいのですが、本筋のストーリーは、ときに埋もれていた真実や隠された人間模様を掘り起こし、なかなかハードな展開をみせます。
基本的には"日常の謎”&”安楽椅子探偵”(何せ探偵役の栞子が入院している)ものなんですが、古書の話だけだとちょっと型に嵌ってしまいそうなところ、最後の話は意外性がありました。
今春第3巻が出るとのこと、そちらも楽しみです。(2012年-20冊目)