◆2014年3月24日
「首折り男のための協奏曲」(新潮社)
伊坂幸太郎
伊坂幸太郎の短編集。
各短編のエピソードや登場人物がつながって、全体でゆるやかに一つの世界を形成しています。
タイトルにある「首折り男」は、作中で特殊な殺害方法をする殺し屋。しかし「時々良いことをして、バランスを取りたくなる」。
彼の「良いこと」によって救われる人がいて、世の悪意や理不尽がこんな風に本人の知らぬ間に解決されたら、とついつい思わされてしまうのだけれど、果たしてそれでいいのだろうか?とも思います。
伊坂作品の常で、読んでるときは面白いのですけど…。その辺りの感覚に何となく割り切れなさを感じます。
そのほか、珍しい恋愛話や恐怖話などの短編を収録。
最後の合コンの模様を延々と実況するような話は、何なんでしょう、これは?どういう読み方をすべきかよく分からない短編。
何となく著者の「砂漠」なんかを思い出させる一方で、不思議な展開に戸惑います。
(2014年-22冊目)